姉の引越し

かなり迷惑なことに、うちの姉が子供を三人連れて実家に帰ってくることになったのである。何度か旦那と喧嘩して帰って来たことがあるのであるが、いずれも一人で帰ってくるかもしくは子供が夏休みの間にうまいこと旦那と喧嘩して帰ってくるのが常であった。しかし今回は完全に国外退去命令が出たらしく、旦那にもありがちに「出て行けー!」と言われたようで、それに対して素直に出て行く事となったようであります。普段からそのぐらい素直だったらもっとうまくやっていけたのではないかと思う次第であった。勢いで何も持たずに帰ってきているものですから家財道具一切旦那の家に置きっぱなしになっているので、それらのお引越しをしなければいけないのである。もちろん仕事もブッタギリで帰ってきている姉ですからお金をなるべくかけないようにしなければいけないので、そこで引越し屋で四年以上勤めた私の出番である。大概のことは自力ですれば安く上がるので、まずは友達の会社が休みのところを見計らって四トントラックを一升瓶一本で借りる契約を結び、それに乗って現地へ向かった。三、四時間かけて現地に到着して驚いたのは家の前の道が細すぎて車が横付けできないのである。そういう情報を前もって知らせてくれていたらなんてことないのになんてことある状態になってしまった。しかたがないのでぼちぼちと奥の細道をお百度参りするが如く荷物を運び積み込んでいった。そんな中でやはり一人が引越しするのと家族が引越しするのとではいろんな面で重みが違うなと感じながらアスファルトの上に獣道ができてしまうのではないかと思うほど往復して、やっとのことで全ての荷物を積み終えたのであった。なんとか帰りの道も無事に帰ることができて家に到着したが困ったことが起きた。荷物の置き場がないのである。流石に引越し屋を四年以上やっていても、空いているスペースにこれだけ沢山の荷物をスルーパスとして出す技術を持ち合わせていない。大工やってりゃすぐに倉庫の一つでも建てられたのにとも思わなかったが、トラックも返さなければいけなかったし、しょうがないので家の前にごっつぁんゴール状態で大量の荷物を置いていった。まるで電気製品の無料回収場のようであった。ブルーシートをかけてしばらく放置されていたが、やがて姉たちも住む場所を見つけ、私が姉家族の荷物たちを新しい住処に運び入れるのであった。蟻の気持ちが少しわかった気がした。